光るカードづくり ~チビトロニクス発売記念・基本編~

今回、クロップパーティーさんでチビトロニクスの取り扱いが開始になるということで、真理子さんのブログに寄稿させていただくことになりました。

今日はそのブログの内容をこちらにも掲載したいと思います。
内容は基本にかえって初心者向けになっていて、3回にわたってチビトロニクスの基本的な使い方を解説していますので、ぜひ、チャレンジしてみてください。

第1回目は基本のプッシュ式スイッチのカードの作り方です。



私は現在、チビトロニクスのデザインチームに参加していて、自分のブログやチビトロニクス本家のブログにも作品をあげているのですが、そちらの作品はどんどん複雑化していてなかなか初心者さんにはとっつきにくい感じになってしまっています。
そこで今回はチビトロニクスを触ったことのない方でも簡単に作れるカードの作り方を紹介させていただこうと思います。

そもそも、チビトロニクスって何?っていう方のために。
チビトロニクスは簡単に言うと、裏がシールになっているステッカータイプのLEDです。



こんな感じに銅箔テープでチビトロニクスのマイナス(とがっている方)と電池のマイナス、チビトロニクスのプラス(広い方)と電池のプラスをつなげば簡単に光らせることができる優れものです。


余談ですが、チビトロニクスは MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボにお勤めのジーチーさんという女性が開発したのですが、このチビトロニクスという名前は Chibi + electronics の造語で、 "Chibi" というのは日本語の"チビ"から取ったそうです。
彼女いわく、”小さくてかわいいから”とのことでしたが、日本語由来の名前なんてなんだか親近感がわきますよね。

さて、今回はチビトロニクスを使ってこちらの2種類のカードを作りたいと思います。
向かって右側が基本中の基本、チビトロニクスを1個使ったカード、左側は回路を少しのばしてチビトロニクスを3個使ったカードです。
どちらも基本的な作り方は同じです。


”光るカード”というと誕生日ケーキのろうそくや星、電球などのもともと光るはずのものを光らせるイメージがあると思いますが、それでは使えるところが限られてしまうので、今回はあえて予想外のものを光らせてみました。

まずは光るカードを作るために最低限必要なものはこちらの3つです。
  • 白のチビトロニクス30個入り【CP】
  • 銅箔テープ【CP】
  • 3Vリチウムコイン電池


今回のチビトロニクスの関連商品、なんとアメリカ本国の定価とほぼ同じ値段なんです!
為替レートを考えたらむしろ安いぐらいかも(笑)
今まで海外から高い送料を払って購入していたことを考えると、こうして国内で購入できるようになるなんて本当にうれしいです。ちなみに、後でご紹介するピンク、オレンジ、グリーンのカラーのチビトロニクスのセットは日本国内で販売されるのは今回初めてです。

電池はクロップパーティーさんでは取り扱いがないので、ご自分で調達していただくことになるのですが、ここで注意点を一つ。
チビトロニクスに使う電池は必ず3Vのリチウムコイン電池を選んでください。
こういったボタン型の電池はどれも同じように見えて実は1.5Vのものと3Vのものがあります。チビトロニクスをはじめとするLEDは3Vの方でないと光らないので、購入時はよくチェックしてくださいね。電池の型番がCRで始まっているものが3Vです。


私が普段使っているものはこちらの3点で、カードの厚さや大きさで使い分けています。電池は家電量販店や100均、ネット通販などでも購入できますが、あまり激安のものだと品質にばらつきがあったりするので、私はもっぱら100均で調達しています。


それでは、実際の使い方を説明します。
まずはチビトロニクスを1個使ったカードです。

使用したスタンプはこちらの Enveloper Coffee【CP】のスタンプと


真理子さんの Summer 【CP】スタンプと


ワッフルフラワークラフトの Lacy Layers 2 【CP】のダイです。


まずは、使うペーパーを準備します。


  • 茶色のカードストック(ローンフォーンの ground coffee【CP】)5.5 x 8.5 インチ
  • 白のカードストックを Lacy Layers 2 の一番大きなダイでカットしたもの2枚
  • スイッチ用の紙 7/8 x 1 3/4 インチ
  • 厚めのトレーシングペーパー 1 x 2 インチぐらい
ダイカットした白のカードストックのうちの1枚に Enveloper Coffee のこちらのスタンプを押します。


これ、いったいどうやって押しているのかというと、


実はこうやってミニインクパッドでなんとなく色分けをして押しています。もちろんきっちり輪郭通りに色分けはできませんが、インクが混ざってグラデーションになっているところも、琉球紅型みたいで味があっていいかなと思っています。

大きなスタンプを押し終わったら、真理子さんのスタンプから"HELLO"のセンチメントを選んで押します。


スタンプし終わったら今度は、光らせたい部分(女の子の頭のお団子の部分)をクラフトナイフで切り抜きます。


こんな感じになりました。


もう1枚の白のカードストックに重ねて、光らせたい部分に鉛筆で印をつけます。


次に、スイッチの位置を書きこみます。
今回は"HELLO"の文字を押すと光るようにしたいので、その部分に印をつけます。


  • まずはHELLOの文字の部分に定規を当てます。(定規の10cmのところを中心にしました。)
  • 下の紙を動かさないようにそーっと上の紙を引き抜きます。
  • 10cmの目盛りを中心に、2cmの線を引きます。
  • 中心から縦に2cmの線を引きます。
印をつけた部分にスイッチ用の紙を半分に折って貼ります。


今度は回路を書きこんでいきます。
先ほど鉛筆で書いた印のところにチビトロニクスを置いて、金属の電極のところに鉛筆で印をつけます。


チビトロニクスをよく使うなら、下の段の写真のようにプラ板などでテンプレートを自作してそれを使うのも手です。
(現在市販されているチビトロニクスのテンプレートはただいまリニューアル中です。)

チビトロニクスの電極からスイッチまで鉛筆で線を引きます。
マイナス側はチビトロニクスのマイナスの電極(とがった方)からスイッチの内側まで線を引きます。


プラス側はチビトロニクスのプラスの電極(広い方)からスイッチのふたの上を通って、スイッチの内側まで線を引きます。


回路を書きこんだら、銅箔テープを貼っていきます。
銅箔テープは裏が粘着タイプになっているので、剥離紙をはがして鉛筆で書いた回路の上に貼っていきます。


銅箔テープは途中で切ってしまうと通電しにくくなるので、切らないようにして貼っていきます。
プラス側の回路は途中でテープを直角に曲げてスイッチのふたの上に貼り、そのまま内側まで切らずに貼っていきます。


直角の貼り方
  • 直角のところまで来たら、いったんテープをもと来た方向に折り返します。
  • テープを45度折り畳むようにして方向を変えます。
すべて貼り終わったら、ボーンフォルダーなどで上からこすってしっかり貼りつけておきます。

チビトロニクスの裏の剥離紙をはがして、向きを間違えないようにして銅箔テープの上に貼ります。


電池のプラスを上にして、スイッチの中に置き、スイッチを押すと光ります!


チビトロニクスをよりしっかりと貼りつけたいときは、右上の写真のようにチビトロニクスの電極の上から銅箔テープを貼って補強しておくといいですよ。

ここまで来たら完成まであと少しです。

回路を貼った台紙の周りに3mmの厚さのフォームテープを貼ります。
分厚いフォームテープがない場合は薄いフォームテープを何枚か重ねて貼ります。


スイッチの周りにもフォームテープを貼って電池が飛び出さないようにするのですが、この時フォームテープの厚さが電池の厚みより厚くなるように調節します。
(そうしないと、上から表紙を貼ったときにスイッチが押されっぱなしになって電池がつきっぱなしになってしまいます。)


チビトロニクスのスターターキットなどにはCR2032(電池の厚さ3.2mm)という少し分厚い電池が入っていますが、それだと完成したカードがとても分厚くなってしまうので、私はいつもCR2016(電池の厚さ1.6mm)の電池と3mmの厚さのフォームテープを使ってあまりカードが分厚くならないようにしています。

今度は表紙の方を仕上げていきます。

まずは二つ折りにしたトレーシングペーパーに女の子の頭のお団子の部分をステイズオンでスタンプします。
(トレーシングペーパーを二つ折りにするのは、トレーシングペーパーが薄いとカードの上から回路が透けて見えてしまうからです。これはお手持ちのトレーシングペーパーの厚さによって二重にしたり、三重にしたりして調整してください。)


スタンプしたトレーシングペーパーを、表紙の裏から貼りつけます。


これを先ほど回路を貼った台紙に貼りつけて、さらに二つ折りにした茶色のカードストックに貼りつけたら完成です。


HELLOの部分を押すと、お団子の部分が光ります。
”ひらめいた!”って感じ?


光るカードの作り方の基本、わかりましたか?
もし光らない場合はチビトロニクスや電池の向きが間違っていないか、浮いたりしていないかをよく確認してみてくださいね。

次はチビトロニクスを3個使ったカードです。
こちらのカードには色のついたチビトロニクスを使いました。
  • レッド、イエロー、ブルーのチビトロニクス各10個入り【CP】
  • ピンク、オレンジ、グリーンのチビトロニクス各10個入り【CP】


使ったスタンプは Enveloper Hugs【CP】です。


真理子さんの Summer 【CP】スタンプと


ワッフルフラワークラフトの Lacy Layers 2 【CP】のダイも使います。


用意するペーパーは先ほどとほとんど変わりません。


  • 青のカードストック(ローンフォーンの blue jay【CP】)5.5 x 8.5 インチ
  • 白のカードストックを Lacy Layers 2 の一番大きなダイでカットしたもの2枚
  • スイッチ用の紙 7/8 x 1 3/4 インチ
  • 厚めのトレーシングペーパー 1 x 2 インチぐらいを3枚
今回は3か所光らせるので、トレーシングペーパーだけ先ほどより多めに準備します。

先ほどと同じように白のカードストックに Enveloper Hugs の大きいスタンプと真理子さんのスタンプの HELLO を押します。
さっきのカードのように光らせたい部分を切り抜いた後、台紙に印をつける方法でもいいのですが、ミスティ【CP】などのスタンピングツールをお持ちの場合は回路用の台紙の方にも同じスタンプを押しておくとより簡単に回路を書くことができます。


その際、回路を貼る側のカードストックにはインク1色でスタンプし、かすれてしまっていても問題ありません。

光らせたい部分をクラフトナイフで切り抜きます。
今回は、女の子の頭のお団子の部分と、両側の大きなお花の中心を光らせることにしました。


トレーシングペーパーにそれぞれのパーツをステイズオンでスタンプして、裏から貼っておきます。


もう一枚の方に回路を書きこみます。
先ほどと同じようにセンチメントの部分にスイッチ用の紙を半分に折って貼ります。
チビトロニクスを複数使うときは、チビトロニクスのマイナス同士、プラス同士を結ぶように回路を書きます。
(これを並列回路といいます。)


チビトロニクスの向きがバラバラで、プラスとマイナスをつないでしまったりすると光らなくなってしまうので注意が必要です。

鉛筆で書いた回路の上に銅箔テープを貼り、上からチビトロニクスを貼ります。


電池のプラスを上にしてスイッチの中に入れ、上から押すとチビトロニクスが光ります。


左から、ピンク、ブルー、レッドです。
よりしっかりチビトロニクスを貼りつけたいときは、チビトロニクスの電極の上からも銅箔テープを貼って補強しておきます。

先ほどと同じように、台紙とスイッチの周りに3mmの厚さのフォームテープを貼ります。


表紙を貼って、二つ折りにしたブルーのカードストックに貼りつけたら完成です。


HELLO の部分を押すと3か所で3色のチビトロニクスが光ります。


チビトロニクスを使った光るカードの作り方の基本、大体イメージができましたか?
はじめて自分が作ったカードが光ったときはとても楽しいです!

実際に作っているところの動画もありますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。


次回はチビトロニクスを点滅させたりすることのできるエフェクトステッカーの使い方をご紹介します。

読んでくださってありがとうございました。

Next Post次の投稿 Previous Post前の投稿 ホーム

0 コメント:

コメントを投稿