家庭用プリンターでトレーシングペーパーに印刷する ~紙編~ 追記あり

今回は実験に使った紙について説明していきます。

今回の実験に使用したトレーシングペーパーは次の27種類です。
今回は、比較的手に入れやすくて使いやすいものということで、A4サイズで1ロットの枚数があまり多すぎないものを選びました。
10社のメーカーからいろいろな厚さの紙を選んで試してみました。

ここで紙の厚さの表記について少し解説します。
以下に記載されている紙の厚さはすべてg/㎡(坪量)で表記してあります。
坪量というのは、印刷業界などでよく使われている紙の厚さを表す単位の一つで、1平方メートル当たりの紙の重さをgで表したものです。
用紙が厚くなればなるほど重量が増していくので、紙の厚みと同じような意味合いで使われていますが、純粋な意味での紙の厚さとは少し違います。
しかも用紙によって密度が違うので、違う種類の用紙では、坪量が同じだからといって紙の厚さが同じわけではありません。

イメージとしては、市販のコピー用紙が64~68g/㎡、官製はがきが209.5g/㎡です。

それでは、個別の紙について解説していきます。

(以下に記載されている値段はすべて税込みの定価です。実際はもう少し安く買えることもあります。)


まずは100均で買えるものです。


左からダイソーのトレーシングペーパー 20枚入り 108円
セリアのトレーシングペーパー 12枚入り 108円
セリアの厚口トレーシングペーパー 92g/㎡ 7枚入り 108円です。
(セリアの厚口トレーシングペーパーは現在メーカー欠品中だそうですので、気になる場合は見かけたら早めに購入しておくほうがよさそうです。)

まずはダイソーのトレーシングペーパーです。


ダイソーのトレーシングペーパーは厚さが書いてありませんが、かなり薄く、おそらく今回実験した中で一番薄いです。
透明度も低くて白く濁った感じです。

次はセリアのトレーシングペーパの薄い方です。


こちらも厚さが書いてありませんが(47ミクロンとは書いてありますが坪量の記載はなし。)ダイソーのものよりほんの少し厚く感じます。
質感はダイソーのものとよく似ています。

次はセリアの厚口トレーシングペーパーです。


セリアの厚口トレーシングペーパーは厚さが92g/㎡、しっかりした厚さで透明感があります。

次はコクヨのトレーシングペーパーです。

コクヨのトレーシングペーパーは6種類試しました。
ナチュラルトレーシングペーパー薄口 40g/㎡ 100枚入り864円
ナチュラルトレーシングペーパー中厚口 50g/㎡ 100枚入り972円
高級ナチュラルトレーシングペーパー中厚口 50g/㎡ 100枚入り1058円
高級ナチュラルトレーシングペーパー厚口 60g/㎡ 100枚入り1274円
高級ナチュラルトレーシングペーパー厚口 75g/㎡ 100枚入り1512円
インクジェットプロッター用ナチュラルトレーシングペーパー厚口 75g/㎡ 100枚入り1382円


左下のものは”インクジェット用紙”と書かれていますが、インクジェットプロッター用で、家庭用のインクジェットプリンター用ではありません。

ちなみにインクジェットプロッターというのはこういう大型のもので、製図やCADに使われるもののようです。



コクヨのナチュラルトレーシングペーパー薄口 40g/㎡です。


質感はダイソーやセリアの薄い方のトレーシングペーパーと似ていて、透明度が低いです。

次はコクヨのナチュラルトレーシングペーパー中厚口 50g/㎡です。


質感は40g/㎡のものと同じで、透明度が低いです。

次はコクヨの高級ナチュラルトレーシングペーパー中厚口 50g/㎡です。


コクヨの”高級”とついているものは普通のナチュラルトレーシングペーパーと違って透明感があってしっかりしています。

次はコクヨの高級ナチュラルトレーシングペーパー厚口 60g/㎡です。


次はコクヨの高級ナチュラルトレーシングペーパー厚口 75g/㎡です。


次はコクヨのインクジェットプロッター用ナチュラルトレーシングペーパー厚口 75g/㎡です。


高級ナチュラルトレーシングペーパー50g/㎡、60g/㎡、75g/㎡とインクジェットプロッター用ナチュラルトレーシングペーパー75g/㎡は厚さは違いますが、透明感などはほとんど同じです。

次はSAKAEテクニカルペーパーのSトレーシングシリーズです。
SAKAEテクニカルペーパーは少し前まで栄紙業という名前の会社で、WTトレスというトレーシングペーパーを作っていましたが、2016年の11月からインクジェット適性を向上させたSトレーシングというペーパーに切り替えて順次発売しているそうです。
WTトレスも持っていたので試しに印刷してみたのですが、WTトレスはSトレーシングに比べてかなり滲みやすいので、これから印刷目的で買う場合はSトレーシングの方を買った方がよさそうです。

今回試したのは以下の9種類です。
Sトレーシング 45g/㎡ 50枚入り 432円
Sトレーシング 55g/㎡ 50枚入り 584円
Sトレーシング 75g/㎡ 50枚入り 1188円
Sトレーシング 85g/㎡ 50枚入り 1318円
Sトレーシング 95g/㎡ 25枚入り 864円
Sトレーシング 105g/㎡ 25枚入り 1059円
Sトレーシング 135g/㎡ 25枚入り 1491円
Sトレーシング 160g/㎡ 25枚入り 1750円
貼合わせSトレーシング 55g/㎡ 25枚入り 1167円


Sトレーシングにはこの他65g/㎡、115g/㎡、180g/㎡、200g/㎡、220g/㎡の厚さのものがあります。
Sトレーシングはどの厚さのものも同じ質感で透明感があります。









次は貼合わせSトレーシング 55g/㎡です。
貼合わせトレーシングというのは透明度の高いSトレーシング55g/m2でポリエチレンフィルムをサンドした三層構造の用紙で、破れにくく耐折性にすぐれています。
三層構造になっているだけあって、かなり分厚くしっかりしています。


次はインクジェットプリンター用のトレーシングペーパーです。
左は森本化成の紙語楽インクジェット用トレーシングペーパー 85g/㎡ 10枚入り 880円
右はSAKAEテクニカルペーパーのインクジェットプリンター用トレーシングペーパー 135g/㎡ 10枚入り 1026円
森本化成のペーパーは染料インク、顔料インクの両方に使えます。
SAKAEテクニカルペーパーのペーパーは染料インク用と書かれていました。
両方とも片面のみにインクジェット用の加工が施されているので、印刷するときは表と裏を間違えないようにしなくてはいけません。
インクジェット用というだけあってとてもきれいに印刷できますが、値段も高価です。


まずはSAKAEテクニカルペーパーのものです。


135g/㎡というだけあってかなりしっかりしています。

次は森本化成のものです。


次は竹尾ペーパーなどで取り扱いのあるトレーシングペーパーです。
これはパッケージに入って店頭で売られているわけではないので、今まで紹介したものよりは手に入りにくいかもしれません。

左からカラークロマティコ ホワイト 100g/㎡ 10枚 633円
クラシコトレーシング 105g/㎡ 10枚 331円
クラシコトレーシング 175g/㎡ 10枚 629円
クロマティコやクラシコは時々リニューアルされているようですが、今回のものはどれにあたるのか詳細が分からないので、同じ名前の紙でも印刷結果が違うことがあるかもしれず、注意が必要です。


カラークロマティコ ホワイトです。


クロマティコはほかのトレーシングペーパーと違い、かなり色が白いです。
もう少し厚いものがPETAという半透明の付箋にも使われています。

クラシコトレーシングの105g/㎡と175g/㎡は厚さが違うだけで質感はほぼ同じです。



最後はクラフトメーカーから発売されているトレーシングペーパーと、いただき物のトレーシングペーパーです。
右からstampin upのカードストック ホワイトベルム 20枚入り 1242円
paperteryinkのvellum cardstock 8.5x11インチ 24枚入り 7ドル(約777円)
桜井 カラーIJトレペ(インクジェットプロッター用) 90g/㎡ A3 50枚入り 2052円
上の2つは厚さが書いてありませんが、かなり厚みがあり、しっかりとしています。
paperteyinkのものは国内では販売していませんので、papertreyinkのサイトから直接購入するしか手に入れる方法はありません。
桜井のものはいただき物で、在庫限りで廃番のようです。


まずはstampin upのホワイトベルムです。


透明感があり、かなり分厚くてしっかりしています。

次はpapertreyinkのvellum cardstockです。


paperteyinkのcardstockはA4サイズではなく、8.5x11インチです。
stampin upのものよりさらに厚く、今回実験したものの中で一番厚く感じました。

最後は桜井のカラーIJトレペ 90g/㎡です。
このトレーシングペーパーも表裏がありますので、印刷するときは注意が必要です。


前回はここまででしたが、さらにもう1種類クラフトメーカーから発売されているトレーシングペーパーが入手できたので追加してみました。

Bazzill のwhite vellum 8.5x11インチ 40lb(約108g/㎡) 25枚入り 15.99ドル(約1775円)


こちらの紙はA4ではなく、8.5x11インチで、耳の部分にメーカー名や商品名などが印刷されています。


透明感があり、しっかりした厚みもあります。

それでは、次回は実際に印刷したものを載せていきます。
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